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ムシバナシの雑記帳

日々雑感あれこれです 日課は踏台昇降と読書少々、朝のしらすご飯と焼海苔

『無脊椎水族館』宮田珠己  

笑った。毎度おもしろい。文章もおもしろいが、紹介されている変な生き物も、おもしろい。
著者によるイラストも味があって好きだ。
水族館ね。しばらく行っていないが、結構あちこちにあるのだな。
好きなんだけど、「やっぱシュノーケリングで海のがおもしろいなあ」とか思ってしまうことも多く。別物としてしっかり楽しむが良いね。まあ海も久しく泳いでいないが。

著者 : 宮田珠己
本の雑誌社
発売日 : 2018-06-21


オマケ。数年前、沼津港深海水族館にて。
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『樹海考』村田らむ  

樹海、青木ヶ原というキーワードを見るとスルー出来ず手にとってしまう。
自殺・遺体マニアではないので、まったくもってそっち方面の興味ではないのだが。
ちなみに著者も自身を「マニアではない」と言う。仕事で通っている(20年も)だけだから。

観光案内的な導入部には拍子抜けしたが、「ナゾの新興宗教施設」辺りからはその非日常性に勢いづく。
しかしやはり“そっち方面”にまつわる話が多く、へええなどと思いながら読了したが、求めていたものと違った。というか私は何を求めていたのか。

樹海の民宿に前泊して、朝から樹海散策なんていいなあ。

著者 : 村田らむ
晶文社
発売日 : 2018-07-27

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『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』ドニー・アイカー 安原和見(訳)  

ネット記事の書評で知った本だが、「ネタバレするのでこれ以上は書けないが」と言いつつ際どいところまでネタバレしていて半ば憤慨しながら読み始める。

冷戦下のソ連・ウラル山脈。事故の状況の異状さから「他者からの襲撃」「雪崩」「強風」「国家絡みの軍事実験」など諸説がささやかれる9人の若きトレッカー達が命を落とした未解決遭難事故。アメリカのジャーナリストが真実を求めてロシアへ通い、書き上げた。

そりゃそうなのだが。著者が次々と関係者に取材するので、登場人物が多い。しかも見慣れぬロシアの名前。ウラディーミル、ユーリ、ゲオルギーが何人いるのだ。
こだわらずにサラッと読もうと思ったが、どうも主要人物は何回も登場するようだし結局登場人物メモをとりながら読んだ。
遭難したトレッカー達は顔写真付きで掲載しているのでメモ不要。

A6のメモ用紙にびっしり4枚。苦労の甲斐あって「これ誰だっけ?」と思ったらメモで確認。おお、なるほど~。
↓画像をクリックすると拡大…してもおもしろいものではありませんが
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【執念の登場人物メモ】
しかし、最後の最後…後書きの辺りに「登場人物」の記載頁があるではないか!なんだああーー!と思ったが、目次をよくよく見るとちゃんと書いてある。ガクー。まあ主要の登場人物だけなのでね。自分のメモは全登場人物ということで。
同人物(多分)で「ボルンコフ」「ボルツェンコフ」の二通りの記述を見つけちゃったし。(喜)

訳が良くて、スルスル読めた。
1950年代末葉、フィルムも貴重な時代かと思うが事故数日前から直前まで旅の様子をおさめた写真が結構残っている。
これには理由があり、「旅程で画像を記録することが、次のトレッキング資格である第三級を得るためにどうしても必要だったからだ/たとえば服装とか、適切な装備とかスキーの適切なフォーメーションなどが規則で定められているのである」とある。
本に掲載されているような記念撮影的なショットもあり(カメラ目線で楽しげな雰囲気のものや、ごく自然な一瞬を切り取ったものなど)、抗えぬ悲劇が待ち受けているのかと思うと痛ましい。

道中、宿泊のために寄った丸太小屋の場面は印象的だ。
その小屋は林業に従事する木材伐採作業員たちの寮で、トレッカー達と年齢も近い作業員達は思わぬ訪問客を歓迎した。
学生トレッカー達が思うよりも「作業員たちは独学の知識人の頭脳と詩人の心をあわせもっていた」「本を読んでいるかのように詩を暗唱」し、「砂糖なしの紅茶を何杯も飲みながら、バラダー(作業員の一人)たちは客人のために自分たちの好きな詩を暗唱」した。過酷な作業をこなす体力と、都会からの学生達と知的な会話を楽しむ感性を兼ね備えた労働者達だったのだ。
政府を批判したためにスターリンによって禁書とされた詩人セルゲイ・エセーニンの詩もあったという。
美しく、豊かな時間を感じられるこの章が、一番気に入っている。

著者の、粘り強い取材により得た「真相」は「きっとそうなんだろうな」と思わせてくれる。
何で『死「に」山』なのかはわからなかった。に?

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『罪の声』塩田武士  

作中では別の名称が使われているが、グリコ・森永事件(未解決)を扱った内容だ。フィクション。
1980年代半ばのこの事件、詳細は思い出せない。というか記憶にあるのはキツネ目の男くらいか。どのような被害があり、死者は出たのか。夫に事件を憶えているか問うと「どくいり きけん たべたら しぬで、てやつでしょ」と即答したので驚いた。

出来事のカケラを拾い集め組合わさり、真実(小説の中の)に近づく高揚感を楽しむと同時に。
加害者にも被害者にも家族がいて、その家族にも友人や大切な存在の人達がいる。それぞれの人生にどれだけの影響を与えたことか。これは実際の事件に当てはめてみても同じなのだ、とやりきれない気持ちにもなった。
事件に巻き込まれてしまった子供達のその後の人生が幸せであることを思うしかできないが。

著者 : 塩田武士
講談社
発売日 : 2016-08-03

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『一汁一菜でよいという提案』土井善晴  

レシピ本ではないのだね。日本人の感性美学哲学思想が美しく平易な言葉で綴られている。
一つの作品として手元に置いておきたくなる本、と言いつつこの度も図書館で借りた。予約してから数ヶ月待ちだった。

食事、とは食べることだけでなく、買い物・下ごしらえ・作る・配膳など食べるためのすべての行為をさす言葉。ほう。
「おいしい・おいしくないも、そのとき次第でよいのです。そう思って下さい。」
など、食事に関して真面目に頑張っておられる方には、「そう思って良いのね」とちょっと一息つけるような内容だと思う。多分。
適当な私は日頃から一息ついているようなものなので、うんうんと頷くばかり。そもそも何十品目とか考えたこともない。

「属人器」「日常の中の高貴性」「神人共食」などのあまり馴染みのない言葉にも触れられる。

著者 : 土井善晴
グラフィック社
発売日 : 2016-10-07

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