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ムシバナシの雑記帳

日々雑感あれこれです 日課は踏台昇降と読書少々、朝のしらすご飯と焼海苔

『君たちはどう生きるか』吉野源三郎  

1937年発行の、新装版。
「偏狭な国粋主義ではなく、ヒューマニズムに根差し、自分の頭で考えられる子どもたちに育てたい。そんな思いから、吉野氏は、この本に着手したのです」と池上彰氏が前書きに記されている。
その部分は全章に通底していたと思うので、伝わった。

うーん、しかし。おそらく良書と評される一冊なのであろうが、今の私には響かなかった。
10代の頃ならまた違っただろう。
図書館で100人超え数ヶ月待ちだったので何かで話題となったのだろう。書店の平積みもあちこちで見た。
子供の頃、話題作『E・T』を観た後に「そ、そんなに良かったかな」と思ったような気がするが、そんな感じ。
そもそも、漫画版を予約したつもりが取り置かれていたのは小説版だった。
後半は斜め読みしてしまった。

父親を亡くした15歳のコペル君(という愛称)と叔父さん(コペル君のお母さんの弟)は大の仲良し。
コペル君の相談事に叔父さんが指南する、という流れで物語は進む。都度、叔父さんはノートに教えや考えを書き記す。いつかそのノートをコペル君に渡す為に。

そのノートに書かれた部分が著者の思想かと思われるが、それを叔父さんに語らせて(書かせて)しまったのが小説として違和感があったのだと思う。まどろっこしいというか。
交換日記や手紙のやり取りではいけなかったのだろうか。
叔父さんのように言葉を尽くして後世若者に伝えるという姿勢は素晴らしいし大人として必要なことだとは思うのだが、語り過ぎなのだ。(だからくじけて斜め読みした)

決して叔父さんのキャラクターに問題があるとかではないのだが、何が引っかかるのかと考えた。
あー、叔父さんがどういう人なのか見えないからかな。叔父さんの経験から得た思想という感じではなく(何しろ大学を卒業したばかりの博識な若い叔父さん)、道徳の教科書を読んでいるような。
まあこれは求めすぎかもしれない。
しかしそれならば小説・物語としてではなく吉野氏の随筆としてならば読みやすかったような気がする。

コペル君に「立派な人」になって欲しい(亡き父の願いでもある)とか、ナポレオンの英雄的精神など色々と考えたくなるキーワードは多い。
コペル君の学校での出来事や、悩み考える場面は児童書らしくおもしろかった。
(友人のお姉さんが)「女の癖に、ズボンをはいているのです」とコペル君が驚いてみたりと時代のギャップもまた。

帯に「中高生に一番読んでほしい本」というコピーがあるが、大人が10代の方に贈る場合は自身が一読して納得の上、が良いと思う。

マガジンハウス
発売日 : 2017-08-24

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映画『500ページの夢の束』  

『スター・トレック』オタクのウェンディが脚本コンテストのために大作を仕上げハリウッドを目指す。
自閉症のウェンディの旅路には優しい人も困難もいっしょくたに待ち受ける。
ウェンディ役は、『アイ・アム・サム』(2001年・ショーン・ペン主演)の子役を演じたダコタ・ファニング。すっかりお姉さんというか、大人。そりゃそうか。

スター・トレックね。全然わからないので果たしてどうかと思ったが、まあ大まかには大丈夫。
でも、きっと細かい仕掛けがあるだろうから、詳しい人は「わかるわかる!」と楽しるのだろうな。

大通りの横断歩道を渡ったり、バスのチケットを買ったりとウェンディにとっての難問にひとつずつ立ち向かい、ゆっくり進む。
素直に応援したくなる。
自分にとっての「大通りの横断歩道」は何なのか考えてしまうね。
背中を押してくれるような、ちょっと元気が出る種の作品だった。

大型バスの中年女性の運転手さんがカッコ良かった。大きなイヤリングつけて。
犬も好演。チワワかな。

category: 映画館・上映会など

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クワイの季節  

スーパーに並び始めたクワイ。
1

何色というのだろう。画像はイマイチだが、本物はなんとも美しいのだ。
2

今季第一弾、皮をむかずに素揚げにして塩をふる。
次はどうするかな。季節には何回も食卓に上る。味も姿も好みなのだ。

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『ワンダーランド北朝鮮』上映会  

上映会内容は、こちらを御覧ください。
上映後の、実際に北朝鮮に行かれたという主催者さんトーク「わたしがみた“北朝鮮”」もおもしろかったですよ。それだけで2時間くらい欲しかった。
朝鮮統一問題も日本人として考えなくてはと思った。

韓国出身の監督(女性)は映画撮影のために韓国籍を放棄してドイツのパスポートで北朝鮮に入国した。
普通の人々の普通の暮らし。「普通」の基準も国それぞれ人それぞれと思えば確かに実際の日常を切り取った映画なのかもしれない。つい勘繰ってはしまうものの。
私の知らない昭和前半の懐かしい光景とはこんな感じだったのだろうかと思わせる、質素な生活と勤勉な人々。
しかしそんな普通の人々が普通にというか熱を込めて口にするのは
「元帥様の愛と心遣いによって私達は仕事に誇りを持つ」
「将軍様の志を実現できないことが一番心苦しいこと」
などなどのオンパレードで、ところで元帥様=将軍様ということで良いのでしょうか。
で、反元帥様、反将軍様が皆無なのは検閲の関係か、監督が反体制派の人々に出会わ(え)なかったのか、はたまた全人民の本当の心(ってことはないよねさすがに)なのかはわからない。

農家だったか、田舎暮らしの方の「これ(太陽光パネル←多分50Wパネル←夫談)1日で12日分の電力がまかなえます」
みたいなセリフがあって「えええええ!」と思ったのだが。
冷蔵庫洗濯機電子レンジ掃除機他、家電がほとんどないということか。
自然エネルギー事情が気になるところでもある。

あと、台所がえらい使いにくそうなのが気になった。
切ったり焼いたりをすべて床に座ったりしゃがんだりして行うようだ。

図書館や本屋さんの棚を見てみたい。

category: 映画館・上映会など

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『雪男は向こうからやって来た』角幡唯介  

雪男には興味はないがおもしろかった。雪男と、雪男に取りつかれた人達の物語。
冒険家鈴木紀夫(小野田少尉発見者)氏も、取りつかれたその一人だったのは知らなかった。

大学の探検部出身で元新聞記者の著者が思いも寄らず雪男捜索隊の一員としてヒマラヤ山脈へ。
元々雪男のような未確認生物には興味がなかった著者が、戸惑いながらも「姿や足跡を見た」人々に話を聞いたり現場で捜索する内に変化する“雪男との距離感”がよくわかる。

雪男に取りつかれ人生そのものが変わってしまう人と、そうでない人。
どこに違いがあるのかわからないが、取りつかれ組には女性の名はなかったようだ。高名な女性登山家達の雪男(やその痕跡)目撃証言もあるが、その後に大きな影響を与えた様子もないようだ。

他の著作も読みたくなった。

著者 : 角幡唯介
集英社
発売日 : 2011-08-26

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