ムシバナシの雑記帳

日々雑感あれこれです 日課は踏台昇降と読書少々、朝のしらすご飯と焼海苔

『雷の季節の終わりに』恒川光太郎  

『夜市』でデビューして二作目が本作ってスゴイのではないか。
寝苦しい夜にどうせ寝付けぬならと読みかけの本書を一気に読了した。おもしろかった。

悪人にもそれなりの理由があり、それが切ない。どう考えても人道的にアウトな行いも、きっかけの出来事に関わらなければもしかして悪の要素が目覚めずに生きられたかもしれない。その辺りは主題ではないと思うが。

あと、「ん、あれはどうなった?」というのが無いでもない。

伊藤遊、朱川湊人、沼田まほかるファンにおすすめです。
幻想的な異世界がたまらない。くうう。

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『生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由(わけ)がある』岡檀  

名前は、おか まゆみ さんと読むらしい。精神医学の研究者。
別著者の『その島のひとたちは、ひとの話をきかない 精神科医、「自殺希少地域」を行く』で紹介されていたので、この本を知った。
私は逆になってしまったが、出来れば『生き心地~』『その島の~』の順で読むことをお勧めします。

自殺率の低い、徳島県旧海部町を徹底して研究した書。
地元の人、町を離れた人、転入者など多くの人と言葉をかわし、地形や気候を詳細に調べ、歴史を遡り追究する内容そのものも興味深いのだが、研究者のフィールドワークの様子が未知の世界で読み物としても飽きさせない。

気に入った(とか入らないとかの問題ではないが)のは、海部町は(歴史的な理由から)多くの移住者によって発展してきた、いわば地縁血縁の薄いコミュニティだった、という箇所。

心理学用語「自己効力感」とは「小さな存在の自分でも、世の中で起こるさまざまな出来事に対し、なんらかの影響をあたえる力を持っている」思える感覚のこと。自己肯定感より積極的な感覚かな。
そっかー。自己効力感と言うんだな。この感覚が低いとどうなるかというと「問題に立ち向かうことをあきらめたり、現状をどうにかして改善できるかもしれないという希望を、早々と手放してしまったりする傾向にある。」と。
なんか、過去の身近な実例(主に職場)がいくつでも浮かぶなあ。
などと心中脱線しながら読了。

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『WOLF ウルフ』 柴田哲孝  

秩父山地で連発する謎の事件。絶滅した筈のニホンオオカミは関係あるのか。
夢がある。どっぷり、山とか犬とか狼とか。秩父に行ってみたくなる。
表紙も格好良い。

著者 : 柴田哲孝
KADOKAWA/角川書店
発売日 : 2015-02-27

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『熊が人を襲うとき』米田一彦  

ここでいう熊は、ツキノワグマのこと。
(最近はないが)イノシシの気配を感じただけでも「もし向かってきたら…」と緊張するが、クマは身近でなかったので余り意識したことはなかった。やはり獣臭がするのかな。
那岐山や大万木山など中国山地では熊鈴の音を何度か耳にしたので、そう言えばいるのだなと気づいた。クマ注意看板も見た。
そうだ、心の準備だけでもと読んでみた。

クマの生態・暮らしに触れてから実際の事件簿と解説・原因・助かる方法などが記されているので分かりやすい。
何となく思い込んでいたクマの習性が違っていたりして、勉強になった。

写真もおもしろい。庭に現れた樹上のクマと、笑顔の著者のツーショットとか。表紙もよく見ると、クマと一緒に飛ぶハチも写り込んでいる。

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『家族のゆくえは金しだい』信田さよ子  

身も蓋もないタイトルという気もするが、実際そうなのだろう。「金しだい」は「金(の使い方)しだい」という事か。
臨床心理士である著者は家族の問題を語るに「お金」がキーワードであるという。

様々な事例が挙げられているが、第三者として見る分には「そりゃあ、そこで根負けして子供に小遣い渡しちゃだめだろう」とか「そんな変な母親は捨てるしかないでしょ」とかよくわかる。
でも、一般的には理解できない判断をしてしまう状況に追い込まれるまでには当事者にしかわからない何か、があったからなのだろう。
そう思うと、自分も何か「一般的には理解できない判断」をしている事もあるのかもしれない。

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